一級建築施工管理技士 第二次検定

施工経験記述 型+例文集

― リベンジ組のための得点直結ワークブック ―
令和8年度(2026)出題傾向対応版
勉強会レジュメ(1時間集中コース)

0. リベンジ組がまず押さえること

一度受けたあなたに必要なのは「知識」ではなく「減点されない型」です。

二次の経験記述で落ちる人の大半は、内容が悪いのではなく、①設問に正対していない ②具体性(数値・固有条件)が足りない ③「監理技術者らしい指導的立場」が伝わらない、のいずれかです。今日はこの3点を潰します。

昨年の自分の答案を、この3つの物差しで採点し直してください

1. 最新の出題傾向(令和6〜7年度)

令和6年度から問題1の形式が大きく変わりました。自分で工事概要を書くのではなく、あらかじめ示された工事概要に基づいて解答する形式です。知識比重が増えた点にリベンジ組は要注意。

年度工事概要(提示)問題1テーマ特徴
R6 (2024)RC造 共同住宅施工の合理化新形式初年度。現場作業の軽減がテーマ
R7 (2025)S造 事務所ビル(7階+塔屋)品質管理鉄骨未経験者は戸惑い。品質×合理化が交互
R8 (2026)予想RC造 が有力(S造も準備)施工の合理化 が有力2年連続同一テーマは過去に無し。建設副産物も一応履修
対策の優先順位:① 施工の合理化 ② 品質管理 ③ 建設副産物

構造は RC造・S造 の両方を準備。1級では木造住宅や仕上げのみの改修は出にくいので、この2構造で新築を想定すれば十分。ヤマ張りは禁物ですが、優先順序はつけられます。

問題2〜6の構成(変わっていません)

問題3のネットワーク工程表は平成29年度から毎年出題。ここは確実に得点源に。

2. 経験記述の「型」テンプレート

新形式では小問ごとに答える形式です。1つの管理項目につき、次の3点セットで書き切るのが基本形。これを3項目ぶん量産できれば合格ラインです。

① 工種名/作業名
○○工事(例:鉄骨建方、コンクリート打設、外壁ALCパネル取付 等)と具体的に。
② 重点項目と理由
「〜のため、△△を重点管理項目とした」。理由は固有条件(気温・工期・立地・構造)に紐づける。
③ 実施すべき内容
「〜を□□(数値・方法)で管理し、△△を全作業員に周知徹底した」。数値+指導的行動をセットに。

減点されない書き方 5原則

NG例 → OK例

NG(抽象的・減点)コンクリートの品質を適切に管理した。
OK(具体的・加点)外気温5℃以下が予想されたため、加熱養生を行い、打設後5日間はコンクリート表面温度を10℃以上に保つよう管理した。
NG(抽象的・減点)鉄骨の精度に注意して施工した。
OK(具体的・加点)建方精度を確保するため、建入れ直しを日毎に実施し、倒れの管理許容差を高さの1/1000かつ10mm以内とし、協力会社に測定記録を義務付けた。

3. 例文集(テーマ別・そのまま応用可)

以下は「型」に沿った記述例です。丸暗記ではなく、自分の現場の数値・条件に置き換えて使ってください。

A. 品質管理(R7出題/頻出)

想定工事概要:S造 事務所ビル 地上7階建(塔屋1階)新築工事
記述例1:鉄骨建方の精度管理
① 工種/作業名:鉄骨建方工事(柱・梁の建入れ)
② 重点項目と理由:高層鉄骨のため、上階への誤差累積を防ぐことが躯体全体の品質に直結すると考え、建入れ精度を重点管理項目とした。
③ 実施すべき内容:各節ごとにトランシットで倒れを測定し、管理許容差を柱の倒れ1/1000かつ10mm以内と定めた。建入れ直しは当日中に完了させ、測定記録を協力会社に毎日提出させて全数確認した。
記述例2:コンクリートの寒中施工
① 工種/作業名:床スラブ・梁のコンクリート打設工事
② 重点項目と理由:打設時期が1月で外気温5℃以下が想定され、初期凍害による強度不足を防ぐことが重要と考え、養生温度管理を重点項目とした。
③ 実施すべき内容:呼び強度を3N/mm²割増し、打設後は断熱シートで覆い、5日間はコンクリート表面温度を10℃以上に保った。温度は3時間毎に記録し、担当者を配置して全作業員に凍結防止を周知した。

B. 施工の合理化(R6出題/R8本命)

想定工事概要:RC造 共同住宅 新築工事
記述例1:型枠のプレカット化による省力化
① 工種/作業名:型枠工事
② 重点項目と理由:型枠工の不足と工期短縮の要求があり、現場作業の軽減と省人化を図ることが工程確保に不可欠と考え、型枠の合理化を重点項目とした。
③ 実施すべき内容:型枠を工場でプレカット・加工し、現場では組立てのみとすることで加工手間を削減した。パネル割付図を事前に作成し協力会社と共有、これにより型枠大工を1日あたり2名削減し、加工廃材も約3割低減した。
記述例2:鉄筋先組み工法の採用
① 工種/作業名:鉄筋工事(柱・梁)
② 重点項目と理由:高所での鉄筋組立作業を減らし、安全性向上と作業効率化を両立させることが重要と考え、鉄筋の先組み化を重点項目とした。
③ 実施すべき内容:地組みヤードで柱・梁鉄筋をユニット化して先組みし、クレーンで揚重・建込みした。組立精度は地上で検査してから揚重することで手直しを削減、高所作業を約40%低減し、工程を3日短縮した。

C. 建設副産物(6年以上未出題/保険で1つ)

想定工事概要:RC造 共同住宅 新築工事
記述例1:分別解体と再資源化
① 工種/作業名:解体・躯体工事に伴う建設副産物処理
② 重点項目と理由:限られた敷地で廃棄物を減量し、再資源化率を高めることが環境負荷低減と処分費削減の両面で重要と考え、分別排出を重点項目とした。
③ 実施すべき内容:コンクリート塊・鉄くず・木くず・石膏ボードを4種以上に分別する集積場を設け、表示看板を設置。全作業員へ分別ルールを朝礼で周知し、再資源化率95%以上を達成、混合廃棄物を前年比で大幅に削減した。

4. 問題1-2(組織的な品質管理活動)対策

新形式では、工事概要に関わらず「現場で行う組織的な品質管理活動」を問う小問が出ています(R7出題、R3類似)。ここは自分の経験×一般論で書く問題。以下の切り口を1つ用意しておけば対応可能。

書き方のコツ:「仕組み」として書く。個人の頑張りではなく、組織として品質を担保する体制を説明する。

5. 本日の勉強会 進行(60分)

時間パートやること
0-10分傾向共有+自己採点去年の答案を3つの物差しで採点し直す(§0・§1)
10-25分型の解説3点セットの型とNG→OK変換を確認(§2)
25-45分例文で書き換え演習例文を自分の現場の数値に置換して1項目書く(§3)
45-55分相互添削隣同士で交換、5原則でチェック
55-60分まとめ・宿題RC/S造それぞれ品質・合理化で各1項目を清書

宿題

― 当たり前のことを、具体的に、まとめる立場で。それが合格答案です ―